妊娠中期頃から感じ始める方が多い胎動ですが、「今日はあまり感じない」「少ない気がする」と感じると、不安になることもありますよね。
胎動が少ないと感じる理由にはさまざまなものがあり、多くは心配のいらないケースですが、なかには注意が必要な場合もあります。この記事では、胎動が少ないと感じるときに考えられる原因や対処法について解説します。あわせて、胎動が激しい場合やよくある疑問についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
胎動はいつから感じる?

胎動とは、お腹の中の赤ちゃんの動きをママが感じることです。胎動は赤ちゃんの存在を感じられる大切なサインのひとつであり、安心につながるものでもあります。
多くの場合、胎動は妊娠18~22週頃から感じ始めます。経産婦の方は、もう少し早い時期に気付くこともあります。
はじめのうちはポコポコとした小さな動きで、「お腹の中で何か動いたような気がする」と感じる程度の方も少なくありません。
感じ方には個人差があり、初めての妊娠の場合は気付きにくいこともありますが、徐々に胎動を感じる機会は増えていきます。
実は赤ちゃんは早い時期から動いている
赤ちゃんは妊娠8週頃から、お腹の中で少しずつ動き始めています。この時期には手足や体の形も整い始め、羊水の中で動く様子が確認できるようになります。
ただし、この段階ではまだ動きが小さく、ママが胎動として感じることはほとんどありません。
胎動が少ない気がする…これって気にしすぎ?

胎動の感じ方には個人差があるため、「少ないかも」と感じることも珍しくありません。
妊娠初期から赤ちゃんは動いていますが、体が小さいうちは力も弱く、胎動として感じられないことがあります。
多くのママが胎動を感じ始める妊娠18~22週頃は、赤ちゃんの位置や動き方によっては胎動を感じない日もあります。妊娠中期は羊水の量が増えていくため、動いていてもママに伝わりにくいことがあります。
そのため、胎動を感じない日があっても、過度に心配する必要はありません。
胎動が少なく感じる理由はさまざまですが、なかには注意が必要なケースもあるため、日頃から胎動の特徴について知っておくことが大切です。
胎動が少ないときに考えられる原因
赤ちゃんの胎動が少ないと感じるときには、さまざまな理由が考えられます。多くは心配のいらないケースですが、なかには注意が必要な場合もあります。
①ママが忙しくしていて気付きにくい場合
特にお仕事をしているママの場合、日中忙しくしていると胎動に気付かないこともあります。
ママが動いていると、その際に起こる振動と胎動による振動の区別がつきにくくなることもあるため、気付いていないだけかもしれません。
②赤ちゃんが眠っている場合
赤ちゃんは胎内で睡眠と覚醒を繰り返しています。一般的には20〜40分ほどの周期で眠るとされており、その間は胎動を感じにくくなります。そのため、タイミングによっては胎動が少ないと感じることがあります。
③成長により動くスペースが変化している場合
妊娠後期になると赤ちゃんが大きくなり、子宮内で動くスペースが少しずつ限られてきます。そのため、以前より胎動が少なくなったように感じることがありますが、実際には動き方が変化しているだけの場合もあります。
スペースが狭くなったからといって全く動かないわけではないため、ボコボコっとした振動からグニャグニャした感覚に変わるなど、胎動の変化を感じられることが多いです。
④胎盤が前壁にある場合(前壁胎盤)
胎盤の位置によって、胎動の感じ方が変わることもあります。
胎盤が子宮の前側に付く「前壁胎盤」の場合、赤ちゃんの動きが胎盤によってやわらげられ、胎動を感じにくくなることがあります。
⑤注意が必要な状態の可能性
胎動が少ない場合、まれに赤ちゃんの状態に変化が起きている可能性もあります。
羊水減少
羊水が少なくなることで、赤ちゃんが動けるスペースが狭くなり、胎動が少なく感じられることがあります。
胎児機能不全
赤ちゃんが一時的に低酸素状態などになることで、胎動が弱くなることがあります。昔は「胎児仮死」と呼ばれていましたが、現在は「胎児機能不全」と呼ばれています。
胎児発育不全(成長遅延)
赤ちゃんの発育がゆっくりな場合、胎動の感じ方にも影響が出ることがあります。妊娠24週を過ぎても胎動を感じにくい場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
常位胎盤早期剥離
胎盤が出産前に剥がれてしまう状態で、強いお腹の痛みや出血を伴うことがあります。
胎盤が剥がれることで赤ちゃんに十分な酸素が届きにくくなり、胎動が弱くなることがあります。
早めの対応が必要となるため、異変を感じた場合は速やかに医療機関へ相談することが大切です。
妊娠時期別の胎動の特徴
続いては、妊娠時期ごとの胎動の特徴についてご紹介します。
妊娠18~24週の胎動
妊娠18~24週にかけて、初めて胎動を感じる方が多いです。胎動というとポコポコとお腹を叩かれるような感覚をイメージするかもしれませんが、この頃は「お腹の中でウニョウニョ動いている感じがした」「最初は腸のガスが動いているのかと思った」と感じる方も多くいます。
この時期はまだ赤ちゃんも小さいため、胎動を感じない日があることもあります。徐々に胎動を感じる機会は増えていくため、感じない日があっても過度に心配する必要はありません。
妊娠25~31週の胎動
妊娠25~31週にかけては、多くの方がほぼ毎日胎動を感じるようになります。羊水の量も増え、赤ちゃんが動けるスペースがあるため、比較的はっきりとした胎動を感じやすくなります。
グニューっと子宮の壁を押すような動きや、しゃっくりのような規則的な動きを感じることもあり、赤ちゃんの存在をより身近に感じられる時期です。
毎日決まった時間に胎動があるかどうかをチェックしておくと、赤ちゃんの変化に気付きやすくなります。
妊娠32週~の胎動
妊娠32週頃になると、胎動がより力強く感じられることがあり、痛みとして感じる方もいます。
胎動が強く落ち着かないと感じる場合は、体勢を変えたり、お腹にやさしく声をかけたりすることで落ち着くこともあります。
この時期は、日頃から胎動の有無や変化に気を配ることが大切です。胎動が少ないと感じた場合は、安静にして様子を確認し、不安がある場合は医療機関へ相談しましょう。
妊娠40週(臨月)の胎動
妊娠40週は、いよいよ出産が近づく時期です。臨月になると「胎動がなくなる」と言われることもありますが、実際には完全に胎動がなくなることはありません。
赤ちゃんが骨盤の中に下がってくることで動きにくくなり、胎動の感じ方が変わることはありますが、「まったく動かない」状態は注意が必要です。
出産予定日が近い時期でも、胎動が少ないと感じた場合は、安静にして胎動の有無を確認し、不安がある場合は早めにかかりつけ医へ相談しましょう。
胎動が少ないと感じたときの対処法
胎動が少ないと感じたときは、慌てずに落ち着いて対処することが大切です。ここでは、具体的な対処方法をご紹介します。
1時間の胎動チェックを行う

胎動が少ないと感じたときは、まず横になって安静にし、胎動の有無を1時間ほど確認してみましょう。
赤ちゃんは20〜40分ほどのサイクルで眠ることがあるため、タイミングによっては胎動を感じにくいこともありますが、1時間まったく胎動を感じない場合は、念のため注意が必要です。
胎動が弱かったり穏やかだったりすると、気付きにくいこともあります。そのため、静かな環境でお腹の動きに意識を向けて確認することが大切です。
横になる際は、左側を下にして横向きに寝転び、右足を軽く曲げる「シムズの体位」をとると、体の力が抜けて胎動を感じやすくなることがあります。
また、胎動の確認方法のひとつとして「10カウント法」があります。これは、安静にした状態で胎動を10回感じるまでの時間を測る方法です。一般的には、30分〜1時間以内に10回程度の胎動が確認できることが多いとされています。
ただし、赤ちゃんの状態やタイミングによって感じ方には個人差があるため、回数だけにとらわれすぎず、「いつもと違う」と感じた場合には医療機関へ相談することが大切です。
かかりつけ医に相談する
胎動が少ないと感じた場合、「気にしすぎかもしれない」「自分が気付いていないだけかも」と受診を迷う方も少なくありません。特に妊娠中期は、日によって胎動の感じ方に差があるため、「今日は少ないだけかも」と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、不安を感じた場合は無理に自己判断せず、かかりつけ医に相談することが大切です。
検査の結果、問題がなければそれで安心につながります。実際に「念のため」と思って受診したことで、早期に異常に気付くことができたケースもあります。
不安なまま過ごすのではなく、気になるときは遠慮せず相談してみましょう。
すぐに病院を受診すべき胎動のサイン

なかには、異常を知らせる胎動のサインもあります。以下のような症状が見られた場合は、1時間の胎動チェックを行う前に、かかりつけ医へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
| カウントを始める |
|
|---|---|
| かかりつけ医に連絡を |
|
これらの症状がある場合、早めの対応が必要となることもあります。夜間や休日であっても、迷った場合は医療機関へ連絡し、指示を確認するようにしましょう。
胎動に関するよくある質問
最後に、胎動に関するよくある質問にお答えします。同じ疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
胎動が激しいと男の子が生まれるって本当?
胎動の強さで赤ちゃんの性別を判断することはできません。
昔からさまざまな言い伝えがありますが、医学的な根拠はないとされています。胎動の強さは赤ちゃんの個性や動き方、ママの感じ方によって変わるため、性別を判断する基準にはなりません。
胎動が少ない・激しいと赤ちゃんに障害がでるって本当?
胎動の強さや回数だけで、赤ちゃんに障害があるかどうかを判断することはできません。
一部では「胎動が弱いとダウン症の可能性がある」といった噂が見られることもありますが、これには医学的な根拠はありません。胎動の感じ方には個人差があるため、必要以上に不安になる必要はありません。
胎動が激しくて痛い場合はどうすればいい?
赤ちゃんの動く位置やママの感じ方によっては、胎動を強く感じたり、痛みのように感じたりすることがあります。
つらいと感じる場合は、体勢を変えたり、お腹をやさしく撫でたりしてみましょう。
また、妊娠28週頃になると赤ちゃんは外の音に反応するようになるため、やさしく声をかけることで胎動が落ち着くこともあります。
まとめ
今回は胎動について解説しました。
胎動は赤ちゃんの様子を知る大切なサインであり、安心につながるものでもあります。一方で、変化に気付くことで早めの対応につながることもあります。
胎動が少ないと感じたときは、今回ご紹介した方法で様子を確認し、不安がある場合は無理をせず医療機関へ相談しましょう。
「気にしすぎかもしれない」「受診して何もなかったらどうしよう」と迷うこともあるかもしれませんが、確認することで安心できることも多くあります。
不安を一人で抱え込まず、かかりつけ医に相談しながら、安心して過ごしていきましょう。



