お産に向けて、妊婦さんの体と心をすこやかに。
妊婦健診は、赤ちゃんの成長を楽しめる日です。妊娠週数にあわせた健診・検査を行い、お腹の中の赤ちゃんの発育や母体の経過が順調であるか、異常が無いかなどを丁寧に診察しています。
妊婦健診の間隔
予定日が決まったらいよいよ妊婦健診が始まります。お住まいの地域の区役所等で妊娠の届出をして、母子手帳、妊婦健康診査助成券を貰ってきてください。当院では埼玉県内の妊婦健康診査助成券が利用できます。
初診〜妊娠11週まで | 1~2週に1回 |
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妊娠12~23週まで | 4週に1回 |
妊娠24~35週まで | 2週に1回 |
妊娠36~40週まで | 1週に1回 |
予定日を過ぎたら | 1週に2回 |
妊婦健診の内容
妊婦健診は妊婦さんの健康状態と赤ちゃんの発育状態を確認するため、毎回行う基本検査があります。
その他、妊娠週数に応じて基本検査にプラスして医学的検査を実施しております。
妊婦健診の流れは以下の通りです。
- 妊婦健診で来院したら、診察券・母子手帳・妊婦健康診査助成券を受付へお出しください。
- 受付でバインダーに挟んだ<妊婦健診相談用紙>を受け取り、記入してください。
- 体重血圧を測り、体重・血圧の結果用紙に氏名を記入後、バインダーに挟んで指定のボックスへ入れてください。
- 採尿
- 待合室でお待ちください。
毎回 | 尿検査、血圧・体重測定、超音波検査 |
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妊娠10~11週頃 | 貧血・血液型(ABO型、Rh型)・梅毒・風しん・HIV抗体・B型肝炎抗原・C型肝炎抗体・血糖・HbA1c・不規則抗体・子宮頸がん |
妊娠19~20週頃 | 胎児・超音波スクリーニング検査 |
妊娠20~23週頃 | クラミジア検査 |
妊娠25~27週頃 | 中期採血(血糖、貧血、HTLV-1、パルボウイルス) |
妊娠28~30週頃 | 胎児・超音波スクリーニング検査 |
妊娠34~35週頃 | 後期採血(貧血) |
妊娠35~36週頃 | GBS(B群溶血性連鎖球菌) |
妊娠37・39週 | NST(胎児心拍モニター検査) |
妊娠40週~ | 予定日超過診察、NST(胎児心拍モニター検査) |
※外来お付き添いの方が妊婦健診時に一緒にご覧になれるエコーは、16週以降の腹部エコーからとなります。予めご了承ください。
クラミジア感染症
性感染症のひとつであるクラミジア感染症は自覚症状があまりないため、感染を知らずに妊娠する事があります。
流産や早産を誘因するだけでなく、治療しないまま経腟分娩をすると産道で赤ちゃんにうつってしまう心配があるため、感染していた場合治療が必要になります。
赤ちゃんに感染してしまうと新生児クラミジア結膜炎、咽頭炎、肺炎、中耳炎などを起こしてしまう可能性があり、特に生後間もない赤ちゃんの肺炎は重症化しやすいため注意が必要です。
検査結果が陽性と出ても分娩までに抗生剤を内服して治療すれば、心配ありません。また、陽性の場合はパートナーも必ず検査、治療を受けましょう。どちらか一方がきちんと治療しない場合、感染を繰り返す可能性があります。男性は泌尿器科を受診してください。ご本人、パートナー共に陰性が確認できるまで性交渉は控えましょう。

B群溶血性連鎖球菌(GBS)
B群溶血性連鎖球菌(以下GBS)は常在菌の一種で、妊婦さんの10~30%が膣や直腸に持っていると言われています。GBSを持っていても、普通は何も起こりません。しかしGBSが新生児に感染した場合には重篤化する事が分かっているため、出生時の赤ちゃんへの感染を防ぐ事が重要とされています。
出産の際に赤ちゃんが産道を通ることで赤ちゃんへGBSが感染する事があります。
GBSに感染した赤ちゃんの全てが病気になるわけではなく、発症するのは1~2%程ですが、赤ちゃんが【肺炎】【髄膜炎】【肺血症】などの重症な感染症になる事があり、治療をして回復しても後遺症が残る事もあります。
妊娠中にGBS検査を行い、その結果GBSが認められた場合は赤ちゃんへの感染予防のため、分娩時に抗生剤の点滴を行います。なお、今回の結果が陰性でも、妊娠中に行った培養検査で陽性となっている方は、感染有りとして予防対策を行います。

カンジダ症
腟カンジダ症は、カビの一種で、強いかゆみと白いチーズ状のおりものが特徴です。妊娠中や体力が低下している時に感染することで上記のような症状を起こします。
妊娠中の方は、お産の時に膣内にカンジダ菌が残っていると、赤ちゃんにうつる事がありますから、今のうちに治療しておきましょう。
治療法は、膣坐剤を1日1回(5~6回で1クール)膣内に挿入し、かゆみがなくても外陰部にクリームを1日2~3回塗ってください。この間は外陰部を石けんで洗わない様にして、治療中は性交渉を控えましょう。
再発しやすい病気のため治ったと思っても、勝手に治療を中断せず、医師の指示に従ってください。治療後1週間位したら、もう一度おりものの検査をします。完全に治ったことを確認してもらいましょう。

胎児スクリーニング検査について
「おなかの赤ちゃんに障害はありませんか?」
健康で元気な赤ちゃんを産みたいという願いは、パパ・ママの普遍的な願いですよね。しかし、この素朴な質問へ一言で返答するのは、なかなか難しいのです。
『出生前検査』について患者さんから質問されることがありますのでお答えします。
当院では、『③NT』『④母体血液検査(NIPT・クアトロ検査)』『⑤羊水検査』は行っていない為、近隣医療機関をご紹介いたします。
2025年2月より、『②胎児スクリーニング検査』は原則全員に行いますが、帰省先で行う等の事情で当院での検査をご希望されない場合は事前にお申し出ください。
① 通常の妊婦健診での超音波
赤ちゃんの大きさや位置、胎盤や羊水の状態をチェックし、経過が順調か確認します。
この超音波検査で、疾患が見つかることもあります。
② 胎児スクリーニング検査
赤ちゃんの脳や内臓などに疾患がないか、通常の健診より時間をかけて診ます。
ママのおなかを通して見ていることや、赤ちゃんの向きによっては見えにくいことがあり、出生後に見つかる疾患もあります。
③ NT
妊娠11~13週頃の赤ちゃんの首の後ろのむくみを計測します。
この時期は生理的にどの赤ちゃんにもむくみは出ますが、その程度が強い場合に、染色体疾患や心臓の疾患を持っていることがあります。
④ 母体血液検査(NIPT・クアトロ検査)
NIPTは10~18週に検査、13・18・21トリソミーの確立を判断します。
クアトロ検査は15~18週に検査、18・21トリソミー、神経管閉鎖不全症の確立を判断します。
⑤ 羊水検査
上記で染色体疾患の可能性が高い場合などに行う確定検査です。
ママのおなかに針を刺し、羊水を採取して羊水中の赤ちゃんの細胞を検査します。15週以降に行えます。
4D超音波外来
今までのエコーでは平面でしか見られなかった赤ちゃんを4Dではお顔の表情や手足などがリアルに見ることができます。大きく育っていく赤ちゃんを一緒に4Dで見てみませんか?


対象 | 検査当日妊娠24週~32週6日までの妊婦の方(当院通院中の方のみ対象) 対象週数の2か月前頃より、予約が取れます。 |
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費用 | 当院分娩の方:3,000円(税込) 里帰り出産の方:4,500円(税込) ご家族の同伴可。 ※条件により赤ちゃんのお顔が撮影できない場合も同料金となります。 |
備考 |
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助産師相談室
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妊娠期の過ごし方