「おなかの赤ちゃんに障害はありませんか?」
健康で元気な赤ちゃんを産みたいという願いは、パパ・ママの普遍的な願いですよね。
しかし、この素朴な質問へ一言で返答するのは、なかなか難しいのです。
『出生前検査』について患者さんから質問されることがありますのでお答えします。
出生前検査の種類

おなかの中の赤ちゃんの発育や異常の有無を調べるための検査である『出生前検査』についてご紹介いたします。
① 通常の妊婦健診での超音波
赤ちゃんの大きさや位置、胎盤や羊水の状態をチェックし、経過が順調か確認します。
この超音波検査で、疾患が見つかることもあります。
② 胎児スクリーニング検査
赤ちゃんの脳や内臓などに疾患がないか、通常の健診より時間をかけて診ます。
ママのおなかを通して見ていることや、赤ちゃんの向きによっては見えにくいことがあり、出生後に見つかる疾患もあります。
③ NT
妊娠11~13週頃の赤ちゃんの首の後ろのむくみを計測します。
この時期は生理的にどの赤ちゃんにもむくみは出ますが、その程度が強い場合に、染色体疾患や心臓の疾患を持っていることがあります。
④ 母体血液検査(NIPT・クアトロ検査)
NIPTは10~18週に検査、13・18・21トリソミーの確立を判断します。
クアトロ検査は15~18週に検査、18・21トリソミー、神経管閉鎖不全症の確立を判断します。
⑤ 羊水検査
上記で染色体疾患の可能性が高い場合などに行う確定検査です。
ママのおなかに針を刺し、羊水を採取して羊水中の赤ちゃんの細胞を検査します。15週以降に行えます。
まとめ
出生前検査についてご紹介してきました。
当院では、『③NT』『④母体血液検査(NIPT・クアトロ検査)』『⑤羊水検査』は行っていない為、近隣医療機関をご紹介いたします。
2025年2月より、『②胎児スクリーニング検査』は原則全員に行いますが、帰省先で行う等の事情で当院での検査をご希望されない場合は事前にお申し出ください。